農業作業息吹/ 150号 | 人と農・自然をつなぐ会





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第150号 2016年9

草を見ずして草をとる

 「上農は草を見ずして草を取り、中農は草を見て草を取り、下農は草を見ても草を取らず」という言葉がある。私達はまさに今、草を見ずに草の海の中で草を取っている。
ジリジリ照りつける夏の日差しに背中を焼かれ、全身から汗が噴き出すのを感じながら、茶木の間にうずくまるような姿勢で私は地面すれすれに顔を近づける。そこから見える光景は茶木の上とはまた違っている。強い日差しは茶木で遮られ、地面すれすれの世界はうす暗く、少しひんやり土の香りがする。名も知らない小さな虫達がゴソゴソ忙しそうに動き周り、発芽したばかりの小さな草の芽がチラホラと見える。土の表面には枯れて分解され始めている茶木の小枝や茶黒くなった葉が堆積し、その下にはしっとり柔らかな黄土色の土がある。薄茶色の太い茶木の幹は地面から垂直に伸び、その先に枝が広がり茶葉が層をなし、上を見上げると緑色の天井が広がっているようだ。地面から天に向かって伸びているものが他にも見える。薄緑色の細いスッとしたものや、茶色の蔓状のもの、赤い根のようなものから伸びる白い茎、トゲトゲしたもの、木のようにしっかりと太く根を張るもの、様々な草が其々の形で茶畑の中で発芽し育ち、日光を求めて上へ上へと伸びている。放っておくと茶木は雑草に覆われてあっという間に茶畑は草畑になってしまう。そうならないためにも、夏の間中、私達は茶木の間に身を屈め、せっせと草の根本に手を伸ばす。
草取りの手伝いに来てくれる人の中には茶木の上に顔を出している草の葉部分だけをとる人がいる。一時は草がなくなり、綺麗になったかのように見えるのだが、根っこが残っているとすぐに元の草畑に戻ってしまう。上手な草取りはその姿勢でわかる。まずは地面に身を屈め、茶木の下を覗き込む。すると茶木の上に伸びた大きい草だけでなく、これから成長しようとする小さい草もすべて見渡すことが出来る。そこから、根本に手を伸ばし、根こそぎ雑草を抜く。根に付いた土を払うことで草は生き返らずに枯れていく。中にはしぶとい草もあり、どれだけ丁寧に土を払っても地に置くとまた根を伸ばし生き返るものがあるため、そういう草は畑の外に運び出し、林に捨てる。草取りには体力と忍耐力に加え、技術と知識が必要なのだ。
 暑い暑い夏の日差しの下、「草はなんて強いのだろう」と感心する程、威勢が良い。けれども、よくよく考えるとその草と真っ向から対決している百姓も草から言わせたら「とっても強い」のだろうなあ、などと考えながら木陰で一休みしていると、時折スッと吹く風がなんとも心地よい。
 汗びっしょりになって夕方家に帰ると、1歳7カ月になった息子がちょうど保育園から帰ってくる。彼も私に負けない程に汗をたくさんかき、一時は汗疹が全身に広がってしまった。病院でもらった薬は万が一口に入ってしまう事を考えると使いたくない。桃、ビワ、ドクダミの葉を煎じて身体にスプレーしてやると汗疹はきれいに消えてしまった。畑にも子どもにもケミカルなものは使わずに育てていきたいと思う。

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