有機のお茶づくり

Tea Making

栽培から可能・販売まで一貫した経営
〜皆様に安全なお茶をお届けします〜

有機・無農薬栽培の
お茶ができるまで

Process

夏場の草取り

茶畑内は、手で1本1本草取りをします。「良い作物を作るには、良い土を作る」お茶以外に、草も元気に育つのでそこが難点です。

収穫

春の収穫は、適用が大事。適用を逃さぬため藤枝市の海抜200m〜600mに位置する別々の山々でお茶作りをしています。

荒茶加工

加工方法の違いで緑茶・紅茶が作られます、全ての茶葉、それぞれに合わせた加工時間や温度を手の感触や香りできめ、その茶葉にあった一番良い方法にて加工しています。

仕上げ加工

お茶は鮮度が大事。
皆様にお届けする直前に、味・形を整えます。

袋詰め

仕上げ加工後は、品質を保つためすぐ窒素充填し袋詰めします。

発送

私達の想いが詰まったお茶を皆様の元へお届けいたします。

私たちの一年

Our year

  • 5

    台上げ(深く剪定)

    次年度に良い芽を出すため

  • 5

    お茶の品質チェック

  • 6月中旬〜下旬

    2番茶収穫&紅茶加工

  • 8/10/1月頃

    肥料ふり

    ・耕運[肥料散布後] 8、10月
    ・深耕 8月
    表面と深い部分の土を混ぜる事で根が深く伸びる

  • 年中

    草取り

  • 10

    秋の収穫

  • 12〜1

    農道、改植

    農道作りと圃場周りに植えたススキを茶畑の畝間に敷き込む作業

  • 3

    苗植え

  • 1〜4

    4月、5月春の収穫

生産

Production

私達の作るお茶の原点にあるものは藤枝市の山間にある自然です。

1976年より、農薬・化学肥料を一切使わずに有機栽培でお茶を生産してきました。
有機栽培を始めた当初こそ色々な問題に突き当たり沢山の苦労がありましたが、この茶畑を取り巻く自然環境や多くの人々の支えがあり、今の人と農・自然をつなぐ会があります。
自然の中にはお茶を生産していく上で害を成す虫や生物がいますが、しかしその虫を餌として生きる生物も沢山います。
この食物連鎖の環の中で自然に抗うのではなく、寄り添う事が私達の農業です。
畑に生える草もその根もゆくゆくは土の中の微生物達が分解し、柔らかい土を作ってくれます。
農薬・化学肥料を使わず安心・安全、そして美味しいと思って頂けるお茶をお客様にお届けし、この豊かな自然環境を後世に引き継いでいくことが、この地で農業で生きる私達百姓の出来る恩返しだと思っています。

お茶を作る上でまず大事な事は、加工をする前の生葉の品質です。
加工技術だけを磨いても原料が良くなければ決して良い物はできません。
畑に撒く肥料は自家設計した有機肥料を使用しています。
お茶は多年生ですので、日々の農作業の小さな積み重ねが1年に3回ある収穫期の生葉の味や香りになります。

そして、その年々の気候もお茶の味や香りを左右します。冬〜春にかけての寒暖の差があるほど、お茶の味がよくなると言われます。
微妙な気候の変化により、お茶の味や香りも毎年変わりますので、似た味ができたとしても全く同じにはなりません。こうした微妙な変化もまた楽しんで頂けたら幸いです。

加工

Processing

1. 荒茶加工

畑から収穫してきた生葉を機械で加工してお茶ができるのですが、
ここではまた畑作業とは違った集中力や経験が必要とされます。
機械を使用するので、とても簡単に思えますが、
茶葉の品質・気温・湿度・茶温・加工行程時間・茶葉を揉む時に掛ける力量・茶葉の水分量・熱風量・・・
などなど沢山の要因が、お茶の味や香りに影響を与えます。
機械は人間の指示通りに動いてくれますが、全く勝手にやってくれるわけではありません。
最終的にベストな加工方法を導き出すのは加工する人間の五感です。手や鼻や目を使い、
ちょっとした感触を感じ取り機械を操作するとても繊細な作業です。

  • 緑茶

    同じ茶葉でも加工方法を変えることにより、緑茶・烏龍茶・紅茶といったように、色々なお茶を作ることができます。
    茶葉は何も(熱加工)しなければ、発酵し始めます。緑茶はまず収穫した葉に蒸気を当て、葉の発酵を止めます、この時の蒸気量や蒸し時間により”浅蒸し”・”深蒸し”といった違いになります。
    一般的に、山間地では日照時間が短く、朝霧に包まれるため、育つお茶の新芽はやわらかくて薄く、とても繊細です。
    私達のお茶は浅蒸し〜中蒸しで仕上げ、山のお茶ならではの新芽の旨味を最大限引き出す蒸し方を追求しています。
    そしてその後3時間ほど掛けて、少しずつ乾燥させながら揉み込んでいきます。緑茶は味や香りと茶の形状も重要視されます。より細く真っすぐになるように茶葉の状態を、手の感触でチェックしつつ機械を操作していきます。そして最後の工程で乾燥させて荒茶の完成です。

  • 紅茶

    紅茶は、摘み取った茶葉を16時間ほどかけてしおれさせます。この工程を萎凋(いちょう)と呼びます。萎凋させることで、茶葉は発酵酵素を活性化させます。
    その後、揉捻機と呼ばれる機械で茶葉を揉みます。緑茶と紅茶の揉捻機は、呼び名は同じですが使用される目的が違います。緑茶と紅茶、どちらも揉捻機で茶葉に圧をかけて茶葉の水分を均一にする目的は同じですが紅茶はさらに茶葉に強い圧をかけ傷をつけることにより、この後の発酵を促すという目的があります。こうした理由から私達は紅茶の本場「スリランカ」より紅茶専門の揉捻機を輸入し使用しています。

2. 仕上げ加工

お茶の仕上げ加工とは、荒茶を選別、整形して火入れ(再乾燥)をする、お茶に磨きをかける最終工程です。荒茶は茶葉の大きさの異なる葉っぱの部分や茎の部分など茶葉全ての部位が混ざりあった状態です。これらを選り分けることにより、お茶の価値をさらに引き出します。茶葉により火入れの温度や時間を変えますが、少しの変化で味や香りが変わるので長年と経験と勘が要求されるとても繊細な工程です。
仕上げ加工は、お茶の皆様のお手元へお届けする直前に行います。これにより新鮮なお茶の香りが袋を開けた瞬間に楽しめます。

お届け

Delivery

お茶の品質を保持するために、最終加工後すぐに食品窒素ガスを充填し袋詰めをします。
食品窒素充填では、お茶を袋に詰める時に袋の空気をすべて抜き、窒素ガスを充填します。
開封後は、窒素ガスが出てしまうためお早めにお飲みください。

どんなに強力な農薬を使ってもできなかった、農業によっては30年間もの間、土壌に残留するといわれる。
体内への蓄積、他の食品添加物との相乗作用、子孫への影響等、問題は山積みにされている。

お茶だけを無農薬にし、会員だけが利用しても問題の解決になるとは思わない。しかし私達には自然を守り自らの生命を守り、子孫により良い環境を継承していく義務があるのではないだろうか。

その意味からも、この仕事に生産者、消費者がその立場を越え、力を合わせて取り組むことの意義は大きい。どんな大河の源も、きわめてわずかな水の流れに始まる。

杵塚 敏明